柿の木日記

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楽器のひみつシリーズVII【第1回】ヴァイオリン今昔物語 ~バロック&モダン・ヴァイオリンを聴く

2011.01.25

今年度で7年目を迎えた「楽器のひみつ」シリーズ。

演奏はもちろん、出演者のお話を楽しみにお越しくださるお客様も多いシリーズです。

今シーズンの第1回にご登場いただいたのは、ヴァイオリンの佐藤俊介さんです。
主にヨーロッパや日本で活躍されている佐藤さん、昨年のライプツィヒ国際バッハコンクール第2位と聴衆賞受賞のニュースも記憶に新しいですが、先日は第65回文化庁芸術祭新人賞を受賞されました。おめでとうございます!

さて、今回のプログラムは前半がバロック、後半がモダンという構成です。楽器もバロックとモダンを持ち替えての演奏でした。

 【プログラム】

F.ジェミニアーニ: 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調
P.ロカテッリ: ヴァイオリンの技法Op.3より カプリッチョ2曲
J.S.バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 BWV1003
〈休憩〉
G.フォーレ: 子守唄 Op.16
P.サラサーテ: スペイン舞曲集より プレイエラ Op.23-1
C.サン=サーンス: ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ短調 Op,75

***

前半は全てバロック・ヴァイオリンでの無伴奏。ジェミニアーニ、ロカテッリというバロック時代のヴァイオリンのヴィルトゥオーゾたちが披露していたであろう超絶技巧が聴きどころ。バッハの無伴奏ソナタではさらに会場内の集中度が高まります。

後半は、ヴァイオリンと演奏曲についての解説から始まりました。
アンケートでも、とてもわかりやすかったと評判だったお話、担当者も舞台袖で「なるほど」などといいながら聞いていたのでした。勉強になりました。
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上の写真、向かって左側がバロックヴァイオリン、右がモダンヴァイオリンです。

弦は、バロックの方に羊などの腸からつくったガット弦、モダンの方にはスチール弦が張られています。「指板」(バロックが茶色、モダンが黒の部分)にも違いがあり、モダンヴァイオリンの方が長く、より駒に近いところまで延びています。それは時代が下るほど高い音への需要が高まったから。

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弓にも違いがあります。バロック・ボウの方が、アーチェリーなどで使う、いわゆる「弓」に近い形状です。対してモダンの弓は、木が毛の側に向かって反っています。モダンの方が毛の量も多く、頑丈そうですね。
(上はバロック弓に、矢(モダン弓で代用)をつがえるの図)

今私たちが生きる時代に近づくにつれ、より大きく、より高い音が求められていったことが、楽器の変遷をみるとわかります。
人類のテンションがだんだん上がっていっているということでしょうか?どこまでいくのか。。。

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お話の後は、ピアノの今西泰彦さんが登場です。
サン=サーンスのソナタで白熱する両者の演奏。大きく鳴るピアノと拮抗し、さらに盛り上がりを見せるヴァイオリンの音に、なるほど、この曲はモダン楽器の領域のものなのだと納得させられました。

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またぜひとも来ていただきたいお二人です。

〈アンコール〉
クライスラー: 「愛の悲しみ」「美しきロスマリン」

 

(今西さんには数日後、チェロの横坂源さんと一緒に目黒区立菅刈小学校へのアウトリーチコンサートにも、ご出演いただきました。その日の様子はこちら。→http://www.persimmon.or.jp/information/activity/20110120101800.html )

 

担当:小比類巻

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