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“伝統文化「雅楽」に親しむ” 2回目報告 雅(みやび)な舞と装束に親しむ

2013.07.05

日本の伝統芸能を紹介するシリーズ。
今年は伝統音楽である「雅楽」について全2回でお伝えします。

先日6月28日に中目黒GTプラザホールで行われた
『伝統文化「雅楽」に親しむ』第2回目講演について、講演内容のご報告になります。
受講者の方々が身を乗り出して聞き入る素晴らしい内容だったので、
その何分の一かでもお伝えできればと思います。

第1回目では楽器のみでの演奏「管絃」についての解説になりましたが、
第2回目は「舞楽」踊りと衣装がメインテーマになります。
(今回の紹介では「舞」と「装束」に絞ってお伝えしていきます。)

リハーサル風景より衣装合わせの一幕です。
何重もの衣装を複雑に重ねて着るため、一人で着ることが出来ません。
演者の方は汗だくになりながらも、衣装を上に上にと重ねていきます。雅楽2回目1.jpg

前回でもご説明しましたが、
雅楽にはジャンルとして「日本古来」のもの、
外来のもの(「唐楽(中国由来)」と「高麗楽(朝鮮由来)」)があります。

楽器演奏と同じく、舞楽にもジャンルによる違いがあり、
音楽・衣装・舞それぞれに特徴が出てきます。
以下、大まかに「日本古来」「唐楽」「高麗楽」について特徴を並べていきます。

日本古来の音楽を整理した舞楽を「国風歌舞(くにぶりのうたまい)」と言います。
日本神話に基づく歌や舞で構成されており、神道・皇室の行事などで演奏されます。
衣装の配色が決まっており、主に白を基調としています。

「唐楽」は舞楽において「左方(さほう)・左舞(さまい)」と呼ばれます。 雅楽2回目2.jpg
衣装の配色が決まっており、「着物は朱色」「小物は金色」となっております。

「高麗楽」は「右方(うほう)・右舞(うまい)」と呼ばれます。

雅楽2回目3.jpg

こちらも衣装の配色が決まっており、「着物は緑色」「小物は銀色」となっております。

呼び方や配色からご想像いただけると思いますが、
「左方」と「右方」は対の存在として考えられています。
演奏を「左方」「右方」同じ人数・編成で交互に行うことを「番舞(つがいまい)」といい、
この際の演目組み合わせは決まっています。

ジャンルとは別に演奏の形式として、
「平舞(ひらまい)」・・・・・・穏やかな舞。
「走舞(はしりまい)」・・・・・勇猛な舞。仮面をつけて舞う。基本は一人で舞う。
「武舞(ぶまい、ぶのまい)」・・勇猛な舞。武器を持って舞う。基本は四人で舞う。
「童舞(どうぶ、わらわまい)」・子ども(元服前)が舞う。
「女舞(おんなまい)」・・・・・妙齢の女性の舞。
があります。

衣装にも様々な種類があります。

上記の左方・右方の説明写真の装束は
「襲(かさね)・常(つね)装束」(幾つかの衣装を重ねた装束)といいます。
古代中国の文官の正装が元となっており、舞楽で最も多く使われる装束です。

以下、他の装束の写真と大まかな説明です。

「蛮絵(ばんえ)装束」

雅楽2回目4.jpg
獅子の文様がついており、平安時代の役人(下級武官)の装束が由来です。

「裲襠(りょうとう)装束」

雅楽2回目5.jpg

長い布の中央に頭を通し、前後に垂らした布を帯で留めています。
こちらは武人の礼服が由来であり、大本は「掛け鎧」と呼ばれる古代中国の鎧が元になっています。

「別様(べつよう)装束」
雅楽2回目6.jpg

雅楽2回目7.jpg

小物等も含め、特定の曲専用に出来た装束の組み合わせです。

多様な種類に頭が混乱しがちですが、様々な装束を見るだけでも楽しめます。
見て・聞いて・感じて、日本で育まれてきた美を楽しむことができた2時間でした。

雅な世界を紹介する講演会報告も今回で最後になります。
少しでも日本の伝統文化「雅楽」に興味を持っていただければ幸いです。

この「伝統文化シリーズ」は主催である、
『より豊かな生きがいを求める人々に対し、「いつでも どこでも だれでも」学ぶ機会を提供する』
公益財団法人 北野生涯教育振興会 と当ホールの共同提供になります。
http://www.kitanozaidan.or.jp/index.html

今後の講演会については未定になりますが、
募集の際にはめぐろ区報や当ホール発行の情報誌「アートレター」等に掲載いたします。

今後ともどうぞ、めぐろパーシモンホール・中目黒GTプラザホールをよろしくお願いいたします。

担当:菊池

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