柿の木日記

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音楽と美術のワークショップ「五色の色鉛筆で描く楽譜絵」_1日目

2014.11.02

目黒区内のさまざまな場所で多様なアートに触れられるめぐろアートウィーク。

今回も、めぐろパーシモンホールと目黒区美術館の共同企画で「音楽と美術のワークショップ」を実施しました。

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日 時: 2014年11月1日(土)、9日(日)11:00~17:00(2日間) 
会 場: 目黒区美術館
参加費: 2,000円 
対象・定員: 中学生以上・20名 
講 師: 秋岡 陽(音楽史/フェリス女学院大学 学長)、徳永雅之(画家)

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今回のテーマは「楽譜」。
5色という限られた色数の色鉛筆を使って、音楽を自分だけの楽譜絵に表してみる、というワークショップです。

幅広い年代のいろいろなバックグラウンドを持った参加者が集まりました。

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1日目。まずは、「楽譜」とはどういうものなのか?を知ることからはじめます。

楽譜といえば、音楽の授業で読み方を覚えた、あの五線譜でしょ?と思う人が多いかもしれませんが、私たちが見なれた五線譜の形にたどり着くまでには、いろいろな様式の変遷をたどっているのです。

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そういった楽譜の歴史、どんな種類があるのか・・・レクチャーをしていただくのは、音楽史の秋岡陽氏です。

これまでの「音楽と美術のワークショップ」でも、音楽の領域から美術の創作へとつなげる橋渡しのようなナビゲーションをしていただいている、このシリーズに欠かせない存在です。

まずは、西洋における楽譜の変遷をたどります。 

中世の楽譜の一例。

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13世紀ごろの、聖歌を記した装飾も美しい楽譜。

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時代が下るにつれ、より詳細に音楽を記すために音の高低の基準となる横の線が増えていき、音の長さが記号で細かに規定され、小節線が現れ・・・より規定が多くなっていきます。

合唱や合奏をする際には、指示が詳細であるほど合わせやすいのは確かです。
そのような楽譜の変化は一見「進化」であるように見受けられます。
しかし、線と線の間にある微妙な音の高低や歌の節回し、ニュアンスのような要素は、もしかしたら楽譜になったときに失われてしまっているのかもしれません。

楽譜というものが、はたしてどの程度音楽を再現しうるのか。そもそものところからを問い直す視点です。

もちろん、西洋音楽以外にも楽譜はあります。こちらは雅楽の楽譜。
それぞれのジャンルの表現方法により即した記譜法がつくられてきたことがわかります。

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さらに、楽譜を記す技術にも目を向けました。

当時のあらゆる分野に大きな変革をもたらした印刷技術の発明と伝播は、音楽にも大きな影響を与えました。
それまでは羊皮紙に人の手で写されていた楽譜が、紙に印刷され数多く出回るようになると、より広い地域に音楽が伝っていくようになります。

下記は、活版印刷で用いられていた活字。
これらを組んで版をつくるのですが、横の線は微妙にずれたりしていました。

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金属の板に反転の楽譜を彫りつけ印刷する方法。

ドイツの有名な楽譜の出版社では、コンピューターでの楽譜制作が主流になってもしばらく、職人がこの方法で版を作っていたそうです。

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お昼休憩を挟んで、午後からの講師は画家の徳永雅之氏です。
ホールと美術館のスタッフと共に、今回の企画を練り上げていただきました。

まずは色についての基本的なお話。
写真は、徳永氏が色鉛筆の色を重ねてつくった色のチャートです。

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続いて、鉛筆の使い方のレクチャー。

鉛筆を寝かせる、立てる。
紙に芯を当てる角度で塗った面の密度や濃さが変わります。

塗り方に変化をもたせるだけで、単色でもかなり印象が変わってきます。

さらに色を重ねる際にどのような順番にするか、どんな筆圧で重ねるか、色をいくつ重ねるか、それらの組み合わせで様々なパターンを生み出すことができるのです。

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そして実践へ。

色鉛筆の色を塗り重ねて混色の練習からはじめます。
ひとりひとり、徳永さんからアドバイスをもらいながら作業を進めていました。

鉛筆の色を塗り重ねる作業の間、部屋には静かに時間が流れていきます。

続いて、特徴の異なる音楽の短いフレーズを聴き、その印象を描いてみます。

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最後に、描いたものを参加者全員でみます。

並べてみると、色の塗り方、音の捉え方にそれぞれの個性の違いが見えます。

1日目はここで終了です。

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担当: 小比類巻

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