柿の木日記・
アウトリーチプログラム

職員がホールでの日々のできごとや、
アウトリーチプログラムなどについての
情報を発信しています。

2011年11月29日(火)

屏風がやってきた!

いよいよです。
米沢から屏風がやってきました。

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「屏風を観る」

2011年11月19日(土) 小ホール
小学生以上コース 13:30-15:00 / 中学生以上コース 15:30-17:00
講師:米沢市上杉博物館学芸員 花田美穂さん、沖田友紀さん

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今回お借りできることになったのは、高精細複製の屏風です。

ここで少しこの屏風のご紹介を。

京都文化協会とキヤノン株式会社が立ち上げた「綴(つづり)プロジェクト」では、キヤノンの最新のデジタル技術と京都の伝統工芸の技を融合させ、オリジナルの文化財に限りなく近い複製品を制作しています。
まず、屏風を分割して撮影し、PC上でこれを合成します。微調整を繰り返しながら色をあわせ、大判インクジェットプリンターで和紙に出力します。これに、京都で伝統的な技術を受け継いできた伝統工芸士が金箔や金泥を施します。最後に、表具師によって表装が施され、完成するのです。
こうして、経年変化による風合いや質感などにもこだわりぬいて複製が製作された文化財には、ほかに長谷川等伯の「松林図屏風」(16世紀)や、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」(17世紀)などがあります。
もっと知りたい!という方は、Canonの「綴プロジェクト」のホームページへどうぞ。
http://canon.jp/tsuzuri/index.html

さて、このプロジェクトの一環としてつくられた上杉本洛中洛外図屏風の複製は、美術専用車で米沢からはるばるやってきて、まず小ホールの舞台部分に置かれました。
かっこいいですね。

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一度たたまれ、「観る」プログラムのはじまりを待ちます。

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講師の米沢市上杉博物館の学芸員の方が、参加者のみなさんの前で開きます。
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触ってしまわないように気をつけながら、近づいて観てみます。
屏風に近づくときは、ハンカチを口にあてて唾などが飛ばないように気をつけます。

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 今度は、昔の人の視線で→座って観てみる。

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これは、異世界への入り口・・・?

実は、これは屏風を向かい合わせに置いて、ホールの中を真っ暗にして床から光を当てた状態なのです。
屏風が上杉謙信の部屋にあったかもしれないむかしむかし、夜はきっとろうそくの明かりで観ていたたんだろうな、と思いをはせながら。暗闇に浮かび上がる金色の屏風の間に座って観る。

本物の国宝の屏風は、長い年月を経ているため強い光があたると傷んでしまいます。湿度などにも気をつけて、厳重に管理しているのです。
こんなに近づいたり、光の当たり方による変化を楽しんだり・・・こういう見かたができるのは複製だからこそ、です。

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兜をかぶって戦国武将気分で観る。

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じっくりたっぷりと屏風を観た後は、画材の一部もみせてもらいました。
なんと金箔まで。これが、この複製にも使われているのですね。

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スタッフ@撮影 までちょっともらってしまったようです。

屏風、満喫しました。

担当:小比類巻由乃