柿の木日記・
アウトリーチプログラム

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2025年6月29日(日)

「子どものためのワークショップ2025 演劇入門ワークショップ」を開催しました

梅雨とは思えない陽射が照り付ける中、今年度も講師に劇作家・演出家の平田オリザさんをお迎えし、「子どものためのワークショップ2025 演劇入門ワークショップ」を開催しました。

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日付:2025年6月29日(日)13:00~20:00
会場:めぐろパーシモンホール 小ホール
参加者:中学1年~高校3年生 30名
講師:平田オリザ (青年団主宰、劇作家、演出家)
主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
協賛:公益財団法人北野生涯教育振興会
協力:有限会社アゴラ企画
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2006年から毎年開催している、劇作家・演出家の平田オリザさんによる大人気の演劇入門ワークショップ。今年も申込開始後数日で定員に達し、30名の中高生が参加してくれました。
例年、中学生と高校生の割合が半々くらいになることが多いのですが、今年は中学生が多かったため、あらかじめ講師に伝えておいたところ、いつもとは一味違ったプログラムを用意してくださいました。

演劇が初めて、という参加者も多いため、まずはコミュニケーション・ゲームから。
与えられたテーマから連想するものや好きなものを声に出しながら歩き、共通の人を探します。「好きな色」「住所」「ベルギーと聞いて思い浮かぶもの」「外国人が日本と聞いて思い浮かぶもの」など共通の人が集まったところで、講師が子どもたちに「なぜそう思ったのか」を問いかけます。子どもたちの答えを受けてさらに「国や立場によって思い浮かべるものが違う」こと、そしてそういった「隠れた偏見をあぶり出すのが、演劇や芸術」なのだということを、子どもたちに伝えていきます。

 2人組、3人組で相手に身を任せるような体を使ったゲームでは、児童虐待を受けている子どもは緊張して動けない場合があること。番号の書かれたカードを使って自分の考えを表現するゲームでは、相手がどんなつもりでその言葉を使っているのかを考えることが大事だということ。エアキャッチボールやエア長縄では、イメージを共有することが演劇を支える原理であること、などゲームごとに、さまざまなお話をうかがううちに、一見交流を深めるためのものとしか思えなかったゲームが、全て「演劇」につながっていることに気づかされます。

緊張がほぐれてきたところで、いよいよ台本を使ったワークです。台本は少し虫食いになっています。語尾は言いやすく変えてもいいし、ウソがまじってもOK6人ずつに分かれて、役を決め、台本を固めたら練習して発表です。

次に配布されたのは、ほとんどの部分を自分たちで考えたセリフで埋める台本です。創作部分⇒決められたセリフ、創作部分⇒決められたセリフ・・・という枠組みを残して、自分たちで考えていきます。セリフが決まったところで、練習、再び発表です。

最後は自分たちで1から対話劇を作ります。まずは配布されたワークシートに各グループで考えたことを書き入れていきます。プロットが決まったら、講師に確認してもらい、台本作成に移ります。と簡単に書いてしまいましたが、このプロット決めがなかなかの難関です。ワークショップ担当の筆者もチャレンジしてみましたが、時間内に思いつくことができませんでした。それに引き換え子どもたちはどんどん話を完成させ、練習に移り、全グループがすばらしい作品として発表を行っていました。

ワークショップ終了後の質問コーナーでは、今後の進路に関することをはじめ、演劇の授業の楽しみ方、演出とは何か? など、演劇に関するさまざまな質問が寄せられました。講師の丁寧な答えに、真剣に耳を傾けていた子どもたちの表情が、とてもりりしく感じられました。

事業課 比留間

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