柿の木日記・
アウトリーチプログラム
職員がホールでの日々のできごとや、
アウトリーチプログラムなどについての
情報を発信しています。
2025年6月26日(木)
東京六人組 10th Anniversary
2025年6月26日(木)めぐろパーシモンホール 小ホール
東京六人組
上野由恵(フルート)
荒絵理子(オーボエ)
金子平(クラリネット)
福士マリ子(ファゴット)
福川伸陽(ホルン)
三浦友理枝(ピアノ)
〈Program〉
モーツァルト(竹島悟史 編曲):歌劇「フィガロの結婚」序曲
プロコフィエフ(松下倫士 編曲):バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より第1部
ガーシュイン(リサ・ポ―タス 編曲):パリのアメリカ人
ファリャ(松下倫士 編曲):歌劇「はかなき人生」第2幕より スペイン舞曲 第1番
ホルスト(リサ・ポ―タス 編曲):組曲「惑星」より「木星」
ドヴォルザーク(岩岡一志 編曲):スラヴ舞曲より *めぐろパーシモンホール委嘱作品
第2集 – 第2番ホ短調 op.72-2、第1集 – 第3番変イ長調 op.46-3、第1集 – 第8番ト短調 op.46-8
ラヴェル(川島素晴 編曲):ボレロ
♪アンコール
ビゼー(リサ・ポ―タス 編曲):歌劇「カルメン」より間奏曲
ビゼー(松下倫士 編曲):組曲「アルルの女」よりファランドール
2015年の結成から10周年を迎えた東京六人組。
記念となる今年に、めぐろパーシモンホールで行われたコンサートをレポートします。
めぐろパーシモンホールでは5度目となる東京六人組のコンサートは「フィガロの結婚」序曲で華やかに幕が開きました。
続く、プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」の情景が浮かぶドラマティックさ、ガーシュイン「パリのアメリカ人」のジャジーでリズミカルな演奏に、各楽器の名手6人ならではのアンサンブルの妙を味わいます。
曲間でのMCでは、6人がマイクを持ち回り、今回のコンサートや10周年を迎えての想いについて、お話ししました。
演奏の合間は集中していた客席も、それぞれのトークに笑みがこぼれる場面もあり、東京六人組とご来場された方々との間に、温かな空気が感じられました。
休憩を挟んだ後半は、スペインの作曲家ファリャの「はかなき人生」よりスペイン舞曲 第1番で陰影のある濃密さ、多くの方に聴きなじみのあるホルストの組曲「惑星」より「木星」では壮大な世界観が広がります。
東京六人組10周年に合わせたホール委嘱作品、ドヴォルザーク「スラヴ舞曲」より第2集 – 第2番、第1集 – 第3番、第1集 – 第8番では、性格が異なる3曲が大胆かつ緻密なかけ合いによって展開されました。
本編最後の曲は、ラヴェルの「ボレロ」。
繰り返されるリズムなかで、2つのメロディが様々な楽器によって奏される曲ですが、東京六人組の名人芸が詰まったスリリングかつラストに相応しい迫力ある演奏となりました。
客席からの大きな拍手のあと、ビゼー「カルメン」より間奏曲と「アルルの女」よりファランドールでアンコールに応じ、終演しました。
今回のコンサートでは「思い入れのある曲を中心にプログラム」を組んだとのことで、10年間の歩みとともに、6人による魅力が溢れるひとときとなりました。
オーボエの荒さんが「できないとか、この楽器には不向きだということを絶対にやりたいという人たちの集まりです」とお話でしたが、オーケストラの曲としてよく知られた曲も、木管五重奏とピアノという編成こその立体感や色彩が感じられ、新鮮な印象を受けました。
アンサンブルの可能性を追求していく東京六人組のこれからの進化に、めぐろパーシモンホールで再会できる日を心待ちにしています。
事業課 梅田