柿の木日記・
アウトリーチプログラム

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アウトリーチプログラムなどについての
情報を発信しています。

2020年12月26日(土)

【アウトリーチプログラム】目黒区立烏森小学校

目黒区立 烏森小学校 6年生93人
日時:2020年12月16日(水) 11:20~12:20
出演:荒牧小百合(ソプラノ)、春日保人(バリトン)、津島圭佑(ピアノ)

【プログラム】
W.A.モーツァルト:オペラ《魔笛》より おいらは鳥刺し(パパゲーノのアリア)
W.A.モーツァルト:オペラ《魔笛》より パパパの二重唱
北原白秋/山田耕筰:待ちぼうけ
土井晩翠/瀧廉太郎:荒城の月
伝承歌:アメイジング・グレイス
プッチーニ:オペラ《ジャンニ・スキッキ》より 私のお父様
ビゼー:オペラ《カルメン》より 闘牛士の歌
ショパン:英雄ポロネーズ
A.メンケン:映画『アラジン』より ホールニューワールド
【一問一答コーナー】

主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
後援:目黒区教育委員会
企画・協力:NPO法人日本声楽家協会
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新型コロナウイルスの感染拡大が飛沫によるものだということがわかってくるにつれ、授業でもなかなか歌が歌えないという情報を耳にしていました。そのため毎年人気の声楽のアウトリーチですが、今年は果たして希望してくれる学校があるのだろうか、と気をもんでいました。おかげさまで3校が声楽を希望してくださり、その声に応えるべく、できうる限りの感染予防対策をしました。
開催場所は距離をとるため体育館。メジャーを使って声楽家と子どもたちの距離を測り、子どもたちの椅子を置く場所を決めました。演奏家同士が近づかないよう一定の距離を保ちながらリハーサルを行い、扉の開放、子どもたちとの離れた距離感など例年とは異なる環境で開催しました。

今回のテーマは「音楽で世界旅」。まずは春日さんのソロから。子どもたちの後方からパパゲーノの笛(パンフルートの一種)を吹きながらの登場です。静かに前を向いていた子どもたちも予想と違う方向から音が聴こえてきたことで、ざわざわ。
そして〈おいらは鳥刺し〉が終わったところで、「パパゲーナっていう女の子の友だちが欲しいから、みんなで呼んでみよう」、という春日さんの呼びかけを合図に、子どもたちが一斉に後ろを向きました。予想に反してパパゲーナは舞台上から登場。「前からかあ」というぼやきがあちこちで聞かれました。

通常ならパパゲーノとパパゲーナが抱き合って喜ぶ愛情あふれる〈パパパの二重唱〉も今日は少し距離をとりながら愛情を確認します。
そして荒牧さんのソロの〈待ちぼうけ〉に続いて、春日さんの〈荒城の月〉。なんと篠笛を吹きながらの登場です。中学時代はフルートを吹いていたそうです。

荒牧さん、春日さんのソロの歌が数曲続いた後は、ピアノの津島さんの独奏によるショパンの〈英雄ポロネーズ〉。それまでの歌に寄り添うような優しい音色とはうってかわって、決然としたリズムと旋律で子どもたちの心をわしづかみ。10分位の長めの曲ですが、子どもたちの集中度が伝わってくるような時間でした。

続く〈ホールニューワールド〉では、ジャスミンに扮した荒牧さんの素敵な衣装と甘酸っぱい二重唱に、うっとり。アラジンの世界にいざなわれるようでした。
全てのプログラムが終わったところで、一問一答コーナーです。子どもたちから次々と手があがり、「歌がうまくなるにはどうすればいいですか?」「好きな食べ物は何ですか?」など、さまざまな質問が出ました。そのひとつひとつに3人とも丁寧に答えてくださいました。

感染症対策のため、体育館の扉や窓を開放したままの1時間。ずっと座っていた子どもたちはさぞかし寒かったと思いますが、最後まで集中を切らすことなく聴いてくれました。寒い中子どもたちに最高の歌を届けてくださった出演者のみなさんと、準備にご協力いただいた先生方に感謝申し上げます。

事業課 比留間

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