柿の木日記・
アウトリーチプログラム

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2023年2月8日(水)

【アウトリーチプログラム】目黒区立大鳥中学校

目黒区立 大鳥中学校 2年生 5クラス約170名
日時:2023年2月8日(水) 13:35~14:15
出演:高橋竹童(津軽三味線、胡弓、尺八)

【プログラム】
1津軽じょんから節(津軽三味線)
2津軽あいや節(津軽三味線)
3江差追分(尺八)
4越中おわら節(胡弓)
5即興曲(津軽三味線)
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主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
協賛:公益財団法人北野生涯教育振興会
後援:目黒区教育委員会

 

本日訪れたのは、目黒区立大鳥中学校。

出演者は、めぐろパーシモンホールでも演奏会に出演いただいている津軽三味線奏者の高橋竹童さんです。大鳥中学校でのアウトリーチではお馴染みの竹童さん。今回はどんな演奏を披露していただけるのか楽しみです。

1曲目の「津軽じょんから節」は青森県津軽地方に伝わる日本の民謡で、津軽三味線の代表的な曲となっています。

演奏後の解説では、三味線という楽器は30種類ほどジャンルが分かれており、津軽三味線は太棹を使い、太い糸を貼って楽器を共鳴させているため、特に大きな音が鳴るように作られているとのこと。今回使用している楽器は師匠の竹山さんから譲り受けたものをメンテナンスして特別にお持ちいただいたこと等話してくださいました。

また、沖縄三味線の歴史は600年ほどありますが、津軽三味線は100年で歴史の長さは違いますが弦のチューニングは全く一緒とのこと!指を押さえる場所が違うためそれぞれ特徴的な音階を演奏しているようです。

続いて演奏される「津軽あいや節」は、お話があった押さえる場所が1曲目と比べて”半分の所”=”半音”が使用されており、同じ津軽三味線ですが雰囲気もガラッと変わった曲となっていました。

お次は尺八について説明していただきました。

他の管楽器と違いリードと呼ばれる部分が無く、とても吹くのが難しいようです。また、名前の由来が標準の管長が一尺八寸だったからというお話もしていただきました。演奏していただきたのは北海道の民謡である「江差追分」です。

次は胡弓です。この楽器は中国から伝わった楽器で、二本の弦で「二胡」と呼ばれるものや、モンゴルでは「馬頭琴」、沖縄では「クーチョー」と呼ばれており、三味線と似た形をしています。大きく違うのは弓を使い弦を擦って演奏することです。

演奏していただいた曲は「越中おわら節」。この越中は現在の富山県のことで、「おわら風の盆」と呼ばれる富山を代表するお祭りで歌われる民謡で、通常は胡弓の他に三味線、太鼓が使われているそうです。

最後は津軽三味線で「即興曲」を演奏していただきました。この「即興曲」ではその時その時に合わせて演奏時間を調節しながらアドリブで演奏しており、今だけしか聞けない特別な演奏となっています。

演奏終了後は、質問タイム・生徒からのお礼の言葉・花束贈呈があり、とても充実したアウトリーチ事業になりました。

演奏終了後の質問タイムでは、以下のような質問がありました。

Q.「毎日練習していますか?」
A.「昔は毎日何時間と練習をしていましたが、今は毎日練習はしていません。」

Q.「日本の伝統的な曲の良さはなんですか?」
A.「伝統的な曲には”間”が表現できるところが、最近の曲とは違う良いところだと思います。」

Q.「即興曲でバチの下(持ち手の底)で弦を弾いていた気がしますが、そういう奏法ですか?」
A.「師匠の竹山が考案した奏法で、普通に弾くときと音色が変わるので先ほどの曲に取り入れました。」

Q.「津軽三味線、尺八、胡弓はどの楽器が一番難しいですか?」
A.「どれも種類が違うためそれぞれ良さがあって、それぞれが難しいです。」

大鳥中学校の生徒さんたちも三味線や尺八に興味を持っていただけたようです。高橋竹童さん、本日はありがとうございました。

事業課 土屋