柿の木日記・
アウトリーチプログラム

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2022年8月3日(水)

「子どものためのワークショップ2022 演劇ワークショップ」レポートvol.1

めぐろパーシモンホール広報ボランティアのkacchanです。「柿の木日記にブログ書いてみませんか」というお誘いを受けてやってきました、「子どものための演劇ワークショップ」。パーシモンホールが長く続けている夏休みの看板プログラムですね。

募集要項によると参加できるのは中学校一年生から高校三年生、定員20名。4日間毎日4時間のワークショップがあって、5日目には発表会があるという、タイトなスケジュール。今回は『誰もが知っている物語を自分たちで改造したり、続きを考えたりしながら、参加者全員が「脚本家、演出家、俳優」の三役にチャレンジする』趣向だそうです。
では実際にはどんなふうに進んでいくのか? ちょこっと覗かせてもらいましょう。

その初日、小ホールに集まったのは、講師の先生と、15人の参加者(男子は3人だけ。ガンバレ)。講師の大池容子先生の挨拶が終わると、さっそく参加者の自己紹介。これがちょっと変わったルール。話せるのは、自分の名前と一文だけ。例えば、先生は「大池だからおっけちゃんと呼んでください。高校時代書道部でした。(スミマセン、間違ってるかも)」って感じで始められました。後に続く参加者はちょっと戸惑いながらも、まず一周。もう一周あって、三周目で一休み。おっけさんは「すこしずつみなさんのことが見えてきましたね。すべてを話すのではなく断片的な情報で想像力を膨らます。演劇では想像力を使わせるのが大事」と一言解説。そして4周目は名前の後に語るのはウソ。
考えてみれば演劇は巨大な嘘の塊だから、うそをつくのも大事な練習か。それにしても、いろんなところに仕掛けが施してあります。

次に挑んだのは、せりふ劇。『待ち合わせ』と題された台本には3か所の空白がある60行ほどのセリフが書かれています。5チームに分かれた参加者に課せられたミッションは
①空白部分のセリフを創作し台本を完成させる
②指定された他チームの台本を役者として演じる
③立稽古を通して舞台装置や振付を考える。(まさに脚本家、俳優、演出家を一度に体験できますね。)
演じられたそれぞれのお芝居は、設定も、セリフも全く違い、同じ台本が元になっているとは到底思えない仕上がり。練習がたった10分程度ほどなのに、うますぎるみんなの役者ぶりにびっくりです。

もう一つビックリなのがおっけさんの変貌ぶり。芝居が始まったとたん、それまでの優しいお姉さんの目が急に鋭くなり、ペンを持つ手が異様な速さで動き出す。プロを感じますねぇ。でも講評の時にはまた優しいお姉さんに戻って、ホッとしました。

ここまでは、いわば準備運動。休憩の後出てきたのは誰もが知ってる「桃太郎」の台本。A4三枚分の簡単なものです。おっけさんの注文は、「昔話なので事実がたんたんと述べられていますが、皆さんは余分な状況描写や心理描写を取り除き、省略されている部分を補い、行間を読み取って新たな部分を加え、皆さんの想像力でオリジナルな桃太郎を作ってほしいのです」というもの。4つのチームがそれぞれのパートを新たに創作し、演じていくことに。いよいよ発表会に向けてのワークショップが始まります。(vol.2に続く)

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