柿の木日記・
アウトリーチプログラム

職員がホールでの日々のできごとや、
アウトリーチプログラムなどについての
情報を発信しています。

2023年12月3日(日)

小松亮太 タンゴ・アンサンブル~アルゼンチン・タンゴとヨーロピアン・タンゴの饗宴

広報ボランティアレポート
めぐろパーシモンホールでは、ホールの活動をより多くの方々に知ってもらうため、広報活動にご協力いただく「広報ボランティア」制度を導入しています。
今回は「小松亮太 タンゴ・アンサンブル~アルゼンチン・タンゴとヨーロピアン・タンゴの饗宴」の様子を、広報ボランティアの方にレポートしていただきました。

公演写真 ©Miyachi Takako

**************************

小松亮太 タンゴ・アンサンブル
~アルゼンチン・タンゴとヨーロピアン・タンゴの饗宴

日時:2023年10月8日(日)
会場:めぐろパーシモンホール 大ホール
出演:小松亮太・北村聡(バンドネオン)、近藤久美子・専光秀紀(ヴァイオリン)、吉田有紀子(ヴィオラ)、松本卓以(チェロ)、桜井芳樹(ギター)、熊田洋(ピアノ)、田中伸司(コントラバス)、小林照未・竹本一匹(パーカッション)

**************************

2023年108日(日)。小松亮太さんのタンゴ・アンサンブルのコンサートへ行ってきました。

大好きな「TBSザ世界遺産」のオープニング曲風の詩)の作曲者と言うことで、ぜひ聴いてみたい!と思ったものの、タンゴは初めてで敷居が高く、私なんかが伺って大丈夫なのかなと恐る恐る会場へ。

会場はチケット完売ですごい熱気です!


事前に、
小松さんのことをググってみましたら、カーネギーホールやアルゼンチン、ブエノスアイレスでご活躍中であり、アルゼンチン音楽協会から様々な表彰されていると言う輝かしい経歴をお持ちの方なんですね。アルゼンチンタンゴと言うジャンル自体を体現する世界的なバンドネオン奏者でいらっしゃり、今年25周年とのこと。

はじめてのタンゴをアンサンブルで堪能させていただけると言う贅沢な珠玉のひと時、そわそわ開演をお待ちしておりました。

ただ、「そもそもバンドネオンって、どんな楽器だっけ?」

「アコーディオンとどう違うの?」と、頭の中が?いっぱいで座席へ。
そこに、小松さんから早速ご説明がありました。

バンドネオンは、アコーディオンのように蛇腹が伸び縮みする楽器でして、ボタンがたくさん付いています。そして、アコーディオンとの決定的な違いは、バンドネオンは正方形なんですって!(アコーディオンは長方形)

また、音色がアコーディオンとは全然違い、とても繊細な楽器のようです。1930年代にドイツで作られた楽器だそうです。

終始、小松さんの軽妙なおしゃべりが楽しく、曲の背景を教えてくださったり、観客の笑顔に包まれた雰囲気の中、タンゴワールドへ一気に引き込まれました。

1曲め《ラスト・タンゴ・イン・パリ》
タンゴファンでなくても、耳にする有名な曲でわーっと気持ちが躍ります。
続いてかわいい汽笛の音が響く《夜のプラットホーム》
コンサート第1部はタンゴで世界旅行なんですって!なんて素敵!!
日本も入ってるんですね。それで《小さな喫茶店》へ。
懐かしい! 日本の曲かと思ってましたが、実はドイツで作られ、1920年代のタンゴブームで日本に渡り、歌詞がついたと聞きびっくりしました。お父上の小松勝さんアレンジで聴かせて下さいました。
続いて小松さんご本人アレンジの《碧空》
ドラマチックで哀愁漂う心に響く曲です。
タンゴは、1920年からヨーロッパ西部で流行し、1930年代はポーランドなどの東ヨーロッパでも大流行したそうです。

旅は続きます…。次はアメリカ《ブルータンゴ》
ブルースと憂鬱なブルーをかけたタイトルだそう。

ここでちょっと編成が変わり、ピアノの熊田さんアレンジで《エル・チョクロ》

この「エル・チョクロ」は「とうもろこし」という意味のおしゃれな曲、ヴァイオリン・コントラバスとの饗宴でした。

続いて《想いのとどく日》
バンドネオンデュオの曲。まさに、ぜいたくな時間、うっとり表情豊かな心地よい響きで魅了されました。

そしてそして、世界旅行のラストは、いよいよ《ラ・クンパルシータ》

アルゼンチンタンゴの名曲と言われていますが、実はウルグアイで作られたそうです。シドニー・オリンピック開会式での貴重な逸話も教えて下さいました。

あっという間に1部が終わってしまいました。

 

演奏時、小松さんは立って、右足を台に乗せ、その右足の上にバンドネオンの中心を置き、左右のボタンを操作しながら、右、左に押し引きします。

そのお姿はとてもアクティブで、タンゴの跳ねるリズムも、足や楽器で身体全体でリズムをとりながら演奏なさるので見ていてとても楽しいです。

休憩を挟んで第2部の幕開け。

ここで、タンゴの典型的な4つのリズムパターンをコントラバスとともに教えていただきました。

1.フォービート(ラ・クンパルシータなどでおなじみ)
2.ジュンバ(「ジュンバ」って聞こえるところから名付けられたそう)
3.
ハバネラ(カルメンなどで使われるゆったりしたリズム、ちなみに一文字違いのハバネロは、キューバの唐辛子())

4.シンコパ

この代表的な4つのリズムパターン、とてもわかりやすく、勉強になりました。

そして《首の差で》で、第2部の曲スタートです。

「あら?この曲聞いたことあるわ。」と思ったら映画『トゥルーライズ』で、シュワちゃんが踊るところで流れる曲。

ドラマティックで情熱的で切なくて、これはハマる曲ですね。

2曲目《目覚め》は、なんとCMネスカフェゴールドブレンドのテーマであり、熊田氏が4分のタンゴにアレンジされたそうです。

壮大で少しバロック調でおしゃれな曲、うっとり聴き入ります。

そしていよいよ今回1番興味深かった曲です。《薔薇は美しく散る》

ベルばら世代の自分には楽しみでウキウキワクワクです。

今回のCD「コラソン・デ・アニソン」の発売にあたり、小松さんから熱い思いが語られました。

タンゴをアレンジする人が、世界的にここ10年ぐらい減ってきている。

アニメを入り口にして、みんなの耳をタンゴに慣らして頂き、バンドネオン、タンゴ復活を世界に発信していきたい!

 

そして、いよいよ曲へ…。

わぁ〜、なんてカッコいいの!

「バラは!バラは!」と心の中で口ずさんでました。

「このために作られた曲なのでは!」と思うほど素晴らしい曲でした。

タンゴって、1つの曲がアレンジャーによって全く別の曲にどんどん変わっていくんですね。

次曲《メリディオナル》は、「ミ・ファ・ソ♯」が主軸でどんどん展開されていく曲、

タンゴの未来の可能性を実感する曲です。

この後《淡き光に》の優しさにふんわりしながら、いよいよ佳境入り

アストル・ピアソラ(タンゴの革命家)の曲が続きます。
これぞ「ザ・タンゴ」って感じで魅せまくってくれました。

切なくて哀愁があり、小松さんの想いが心にぐっと響きます。

演奏されている様子は、バンドネオンが、まるで話しているような、生き物がうごめいているようです。

ラストのリベルタンゴは、小松さんアレンジで鳥肌がたちました。

素晴らしかったです。

そして、アンコール曲は、

キャー!!!

《風の詩~THE 世界遺産》です。

なんと嬉しいこと、ありがたいです。

この曲を書いたときの貴重なエピソードも教えてくださいました。

最初、TBS側からのご要望が「時の流れを感じたい」など、シリアス調だったので真面目な曲を書いたら、まさかの書き直し依頼が!!

書き直し締め切りは2日後で「明るくポップでキャッチーな曲を」との依頼だったそうです。

そんな急なご依頼のなか生まれた何と素敵な曲。

2日間でこんな素晴らしい曲を生み出すなんて、小松さん、あなたは天才です!!

そう改めて思いながら、パーシモンホールを後にしました。

ありがとうございました。

 

広報ボランティア 岡村ももか