柿の木日記・
アウトリーチプログラム

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2023年6月19日(月)

ミュージアムコンサート ベルギー生まれの楽器、サクソフォンを聴く

広報ボランティアレポート
めぐろパーシモンホールでは、ホールの活動をより多くの方々に知ってもらうための広報にご協力いただく「広報ボランティア」制度を導入しています。
今回は目黒区美術館の「ベルギーと日本」展にちなんで開催した「ミュージアムコンサート ベルギー生まれの楽器、サクソフォンを聴く」をレポートしていただきました。

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日程:2023年6月3日(土)
会場:目黒区美術館 ワークショップ室
出演:Avant-Premiere~鈴木広志、東涼太、上運天淳市〈サクソフォン〉
主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団(めぐろパーシモンホール/目黒区美術館)
公演情報:https://www.persimmon.or.jp/performance/sponsored/2023040617065752718.html
写真クレジット:宮地たか子
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台風が過ぎ、空が晴れ渡り、雨の雫が紫陽花にキラキラと映える中、目黒区美術館で開催されている「ベルギーと日本 –光をえがき、命をかたどる」の関連イベント、ベルギー生まれの楽器「サクソフォン」による、鈴木広志さん、東涼太さん、上運天淳市さんのトリオ、[Avant-Première]のコンサートに行ってきました。

サクソフォンのみのコンサートに興味津々の中、会場へ。
サクソフォンを制作した、楽器製作家/発明家 アドルフ・サックスの肖像画がステージでお出迎え。会場のワークショップ室には40席程の客席。

《Spring Spring》
曲名そのままに、春を感じるリズミカルなオープニング曲で、観客を軽やかに迎えて下さる演奏者の心を感じました。

《ワルツ》
続いて、かわいいワルツ曲。三人の主旋律が入れ替わったりと、妖精達が楽しく踊っている様でした。

《建築組曲 より〈ガラスブロックの曲壁面〉》
建築家/村野藤吾さんの作品からインスピレーションを得て作られた楽曲。バリトン・サクソフォン3本で奏でる、ゆったりと奥行きのある曲。遠くの雲間から厳かに光が差し込んでくるイメージ。

《華麗なる幻想曲 op.86》
サクソフォンの製作者アドルフ・サックスの長年の友人、ジャン=バティスト・サンジュレーの作曲。サンジュレーはサクソフォン独奏曲を30曲以上作曲。「アルト・サクソフォンの良いところをたくさん聴ける」との演奏者の言葉どおり、これぞサクソフォン!と感じました。

Cメロディーサクソフォン

Cメロディーサクソフォン

《アントワープ港の眺めに寄せて》
藤田嗣治がベルギーの銀行家に依頼されて描いた『アントワープ港の眺め』からつくられた楽曲。100年ほど前に作られた“Cメロディーサクソフォン”が登場。室内用のサクソフォンで音が小さいとの事。「人前で初めて吹きます」と話す中、飾られていたアドルフ・サックスの肖像画がハラリと外れるハプニング! 絶妙のタイミングに鳥肌が立ちました。穏やかなリズムに郷愁を誘うメロディー。ベルギーのアントワープ港に想いを馳せました。

着想を得た作品たち

続いての3曲は、目黒区美術館で開催中の「ベルギーと日本」展の展示作品から着想を得て、鈴木広志さんと上運天淳市さんが作った楽曲でした。

《雪の朝より》 作曲:鈴木広志
太田喜二郎がベルギー留学時に描いた『雪の朝』から作曲。太田喜二郎のベルギー留学時の時代背景や心情を思い、作られたとの事。バリトン・サクソフォン3本で交わる低音。時に不協和音、そして、厚みのあるハーモニーへ。雪が積もった静かな朝を思いました。

《コンスタンタン》作曲:上運天淳市
コンスタンタン・ムーニエの彫刻作品『攪錬工』から作曲。工場労働者を多く描いているムーニエ。バリトン・サクソフォン3本で演奏。低く分厚く、労働者のパワーを感じられる楽曲でした。

《木こりと牛》作曲:鈴木広志
児島虎次郎『親牛仔牛』と太田喜二郎『暖かき日』から作曲。同じ時代にベルギーに留学していた、児島虎次郎と太田喜二郎は友人。そんな話をお聞きした後、重厚な音が段々と重なり合う調べの中に、曲名どおり、斧を振るう音、牛の声が届き、楽しませて頂きました。

惜しみない拍手でアンコール。アンコール曲は、NEW Album「舞踏会の手帖」より《サン= サーンス作曲/東涼太 編曲:交響詩「死の舞踏」op.40》を披露して下さいました。

目黒区美術館の展示との関連イベントコンサートということと、サクソフォン・トリオ演奏ということに興味がわき、どんな感じになるのかな?わくわくと出向きました。「ベルギー」を軸に、至極の作品とサクソフォン演奏が、時代を超えて混ざり合い、視覚(展示作品)×聴覚(楽曲)=イマジネーションを豊かにできる!心に響く楽しいコンサートでした。

終演後は楽器の撮影も…

珍しい楽器を間近で

目黒区美術館のラウンジでは、展示にあわせたメニューがあり、「ベルギーワッフルとテ・オ・ショコラ(紅茶)セット」をオーダー。チョコレートのフレーバーティーは、なかなか珍しく、ワッフルと美味しく頂きました。ベルギーワッフルは、お土産に購入も出来ます。(展覧会は6/18で終了しています)

広報ボランティア 澤村由紀

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